第27章 生かす強さ
外から鏡を壊すと言ったが、私はまだ、鏡を壊すつもりはなかった。
(ごめんねサスケ、でも、写輪眼が開眼したらちゃんと壊すから!)
私は心の中でサスケに謝り、鏡を壊そうとするふりをする。
『火遁・豪火球!』
私は豪火球を鏡に向けて放つ。
ナ「す、すげぇってばよ!」
サク「流、すごい…」
ルミの術にナルトとサクラが驚く。
サスケも黙ってはいるが驚いている。
カ(サスケだけじゃなくて流もあの術使えたのか!)
カカシは再不斬と戦いながらもルミの術に気付き驚く。
「そんな火では、僕の鏡は溶かせませんよ!」
ハクが言ったとおり、鏡は相変わらずサスケを囲んでいた。
ハクは再びサスケに千本を投げる。
そして、その時はやって来た。
「…そうか、君も・・・。」
ハクは全て千本をよけたサスケの瞳を見て呟いた。
(開眼したか。)
私はサスケの目に二つ巴を見つけた。
これで一つ目の目的は達成した。
これで鏡の中にサスケをいさせる理由がなくなる。
私はカカシを見る。
カカシは再不斬に苦戦しているようで、こちらを気にする余裕がないことを確認すると、素早く印を組んだ。
『熔遁・灼河流岩!<しゃくがりゅうがん>』
私の口からドロリとした塊が鏡に向かって飛んでいく。
言霊の力か、私は歌にせずとも同時に性質変化を扱うことが出来る。この術は土遁と火遁を合わせたものだった。
鉄を溶かしたようなそれは、ハクの鏡を溶かしていった。
振り返ったハクの瞳は驚きに見開かれていた。