第4章 2度目の人生
「まさか、この年で開眼するとは…」
父は私を見つめたまま呆然と呟く。
私はその様子に首を傾げる。
すると父が苦笑いして、鏡を持ってきて私に見せた。
私は疑問に思いながらも鏡を覗き込む。
『!?』
鏡に映った自分、正確には自分の目を見て、私は息を飲んだ。
そこには、一つ巴だが、写輪眼になった自分の両目が映っていた。
「誕生日に、写輪眼を開眼するなんて、目出度いわね!」
母はそう言うと私の頭を撫でた。
どうやら、目覚めた時両親がいなかったのは、私の誕生日の準備をしていたためらしい。
父は、複雑そうな顔をしながらも、そうだな、と言って私の頭を撫でてくれた。
私は、この年で、このタイミングで写輪眼が開眼したのは記憶が戻ったせいではないかと考えていた。
(それとも、写輪眼が開眼したから記憶が戻った?)
どっちにしろ写輪眼が開眼したことは強くなりたい私には都合がいいので深く考えるのはやめにした。
それよりいまは、二人と誕生日を楽しく過ごす事が優先事項だった。