第4章 2度目の人生
翌朝、私が目覚めると二人の姿がなかった。
『マ、マ?パ、パ?』
いつも目覚めた時は、父か母のどちらかが必ずいて、二人ともいないという事がなかったため、私は、キョロキョロと辺りを見回した。
「あら!ルミ起きたのね?
ごめんねー独りにして、寂しかった?」
布団から這い出ようとしていると、襖の開く音がして、母が戻ってきた。
『マァマ!』
私がほっとしてそう言うと母が後ろから私を抱き上げた。
そして私を正面から見て、目を開いて固まった。
「シスイ!!」
そう叫ぶと私を抱いたまま寝室を飛び出す。
茶の間では父がケーキに蝋燭を刺そうとした体勢のまま振り返った。
「ルカ、まだ準備中だったんだが。」
そう言いながらも、てを止めて私達に近づいてくる。
「どうした?」
母の様子に違和感を感じたらしい父が眉をしかめる。
「ルミのルミの目を見て!!」
母が私を父に向ける。
目が合った瞬間、父が息を飲んだのが分かった。