第27章 生かす強さ
私は、タズナを守りながらサスケを見ていた。
ハクとサスケの戦いは漫画で読んだ通りに進む。
その時、いきなり再不斬の水分身が四方から現れ、私は飛び上がった。
そのまま、回転して苦無を投げる。
投げた苦無は全ての水分身を一度に消した。
「何ッ!?」
それを見て再不斬が驚く。
「少しはやる奴がいるみたいじゃねぇか!」
再不斬はそう言ってニヤリとする。
「ガキだガキだとうちのチームをなめてもらっちゃあ困るねぇ。こう見えてもサスケは木ノ葉の里のルーキーでもトップ。もう一人は目立ちがり屋で意外性ナンバーワンのドタバタ忍者ナルト…。紅一点のサクラはくの一1の頭脳の持ち主!最後の一人流は自分では気付いていないがかなりのお人好しだ!……たぶん。」
カカシが得意そうに七班の紹介をする。
(てか、お人好しって・・・。しかもたぶんだし…。)
私に対するカカシの評価に、ナルトの評価がまともに聞こえてしまった。
私が呆れていると、横から手裏剣が飛んできてハクの面に突き刺さった。
見ると、サスケはハクの血継限界である氷の鏡に囲まれていた。
私が呆れている間にも戦いは続いていたようだ。
「うずまきナルト!ただいま参上!」
手裏剣を投げたのはナルトで、大声と共にナルトが現れた。
登場の仕方にカカシは苦笑する。
「俺がきたからにはもう大丈夫だってばよ!!物語の主人公ってぇのは大体こーゆーパターンで出て来て、あっちゅーまに敵をやっつけるのだー!」
ナルトが叫ぶ。
勿論、そんなに目立って的にならないわけがなく、再不斬から苦無がナルトに向かって投げられた。
"キィン"
私は素早く苦無を飛ばす。
そしてそれは、再不斬が投げた苦無を別の方角から来た千本とともに落とした。
「……ハク、てめぇどういうつもりだ?」
飛んできた千本に再不斬がハクを睨んだ。
「再不斬さんこの子は僕に、この戦いは僕の流儀でやらせて下さい!」
再不斬の疑問に、真っ直ぐと再不斬を見据えたままはハクが言う。
再不斬は溜息を吐いた。
「手を出すなってことか、ハク。まったく、相変わらず甘ぇヤローだ。」
再不斬はそう言いながらも手を出さないと決めたようだ。
『ナルト!』
私は登場したナルトが鏡の中に入って行く前に呼び止めた。