第21章 卒業
「おまえは里のみんなに、ずーっとだまされていたんだよっ。
おかしいとは思なかったか?あんなに毛嫌いされて。」
ミズキがナルトをあざ笑う
「…ちくしょー…、ちくしょうちくしょうちくしょーーーっ!!!」
泣き叫ぶナルトに胸が締め付けられる。
[イルカよ、ナルトは親の愛情を知らず、里の者には、あの事件のことで煙たがられ…
だから、気を引くためにいたずらをするしかなかったのじゃ。
どんな形であれ、自分の存在価値を認めて欲しかったんじゃよ。
強がってはいるが、つらいのはナルトの方じゃ。]
俺はふと、火影様の言葉を思い出す。
その時だった。
「死ね、ナルト!!!」
ミズキが、背負っていた巨大な手裏剣を投げる。
それはナルトに向かって一直線に飛んで行った。
「ナルト!伏せろーっ!」
俺が叫ぶと、ナルトは頭を抱えて地面に伏せた。
俺は反射的にナルトにお覆い被さる。
次の瞬間、背中に衝撃が走り痛みが遅れてやって来た。
「な、なんで…?」
俺を見上げて呟いたナルトの頬に、俺の口から流れた血が伝った。