第21章 卒業
「…同じだからさ。
両親が死んでから、誰もオレのことをほめたり、認めてくれる人は、いなくなっちまった…。
人の気を引き付けたかったから、優秀な方で、気が引けなかったから、…ずっとバカやってたんだ。
苦しかった…、そうだよなぁ?ナルト…。
さみしかったんだよなぁ…、苦しかったんだよなぁ…、ごめんな、ナルト。
オレがもっとしっかりしてりゃあ、こんな思い、させずにすんだのに…。」
そう言う俺の眼から溢れた涙がこぼれ落ちナルトの頬を濡らしていく。
「…っはっは、笑わせるぜ!!
イルカは、自分の両親を殺したおまえを、ずっと憎んでいたんだ!!
なんだかんだ言って、巻物を取り戻したいだけなんだ!」
ミズキはそんな俺たちを見て怒鳴った。
ナルトは何も言わず、巻物を背負ったまま走り去ってしまう。
「ナルト、ナルトーッ!!」
手を差し伸べて叫ぶ俺の横にミズキがやって来た。
「はっはっは、ナルトは心変わりするようなヤツじゃねぇ。
あの巻物で、この里に復讐するぞ!さっきのアイツの目見たろ?
…化け狐の目だ。」
ミズキの言葉に、俺はふらつきながら立ち上がり叫ぶ。