第20章 平穏
翌朝、私は昨日よりも早起きをして弁当を作っていた。
出来たおかずを弁当箱に詰めて最後にミニトマトを入れる。
おにぎりを数個、弁当と一緒に入れて準備を終えると朝食を摂ってからアカデミーに向かった。
アカデミーに着くと、今日はまだ人がまばらだった。
私は席に着くと机にうつ伏せた。
うとうととし始めた頃、イルカ先生が現れ授業が始まった。
今日は補助忍術についての授業だった。
明日は補助忍術の実演をやると予告して、午前中の授業が終わった。
昼休みになってサスケが席をたつ。
私は弁当を持つとサスケの後を追った。
サスケは昨日と同じように、木に寄りかかるとおにぎりを食べ始めた。
『サスケ!一緒に食べようぜ!』
私は弁当を持ってサスケの隣に座った。
「断る。」
サスケは即答すると、あっちへ行けと言うような視線を向けてくる。
『そう言うなって!ほら!』
私はそう言って、二つある弁当箱の一つをサスケに差し出す。
『サスケおにぎりだけだろ?昨日気になって作ってきたんだ。』
私はサスケに何か言われる前にそう言うと、自分の弁当を食べ始めた。
『一緒に食べる奴いなくて、寂しくてさ!』
私はそう言ってサスケに笑う。
サスケは困ったように弁当を見ていたが、溜め息をつくと箸を手にとった。
私はそのあと、明日から弁当を作って来るかわりに一緒に弁当を食べることを、無理矢理約束してその場を去った。