第20章 平穏
私はアパートに着くと、カーテンを閉めた。
まだカーテンを閉めるには少し早い時間だが、変化を解くために外から見えないようにする必要があった。
カーテンがぴたりとしまっているのを確認した私は術を解いた。
身長が縮み、父の形見である髪紐で高く括ったポニーテールが揺れた。
私は買ってきた食材を冷蔵庫にしまうと、夕飯の支度を始めた。
麻婆豆腐とサラダを作る。
すぐにできたそれらを食べてすぐに風呂場に向かった。
風呂から上がって時計を見るとまだ7時になったばかりだった。
寝るにはまだ早すぎる時間だ。
私は机からノートを取りだした。
そこには、前世の記憶を元に、漫画、NARUTOの出来事が書かれている。
(卒業試験に、波の国、サスケの里抜け……。)
私はこれから起こる重要な出来事を思い出す。
どれも何とかして止めたいが、その出来事があったからあり得る結果がなくなってしまうと、困るのも確かだ。
『どうにかならないかな~』
私は一人、ノートを睨み呟いた。