第19章 決断
「僕、秋道チョウジ!よろしく!」
私が席にたどり着くと、隣の席になったチョウジがにこりと笑いかけてきた。
『よろしく。』
私はそう言って笑顔を返すとイスに座る。
「俺ってば、俺ってば、うずまきナルト!」
私の前の席になったナルトは、後ろに体をむけて自己紹介してきた。
(知ってるよ。)
私はルミとして木ノ葉にいたときに友達だったナルトを見た。
「そんで、こいつが愚痴タレおバカのシカマルだってばよ!」
そう言って隣の席、私から見て斜め前の席に座るシカマルをさす。
「はぁ~?バカはお前だろ!めんどくせぇ。」
シカマルはナルトにそう言うと、私を振り返る。
「奈良シカマルだ。よろしくな?」
面倒くさそうに言う。
私が挨拶を返すと、すぐ正面に向き直った。
だが、ナルトはまだこちらを向いていて、私に爆弾的な質問を投げてきた。
「流てばさぁ、サスケに似てるよな?やっぱ流サスケと同じ一族なのか?」
ナルトがそう言った瞬間、前を向いていたシカマルが、バカッ!と言って振り向いた。
その後、恐る恐るサスケの方をみる。
当然の行動だ。
木ノ葉に帰って来てすぐに知った事だが、うちは一族暗殺事が起こったのは去年だった。
つまり、生き残りはサスケだけ。
私もシカマルの視線を追うが、どうやらサスケには聞こえていなかったようで、前を向いて授業を受けている。
(それにしても本当に……。)
『馬鹿だったんだな、お前。俺は砂の里から来たと言っただろう。』
うちはは木ノ葉の一族だ。
砂の里から来たのにうちは一族である訳がない。
(まぁ、元々木ノ葉の里出身だしうちは一族だけど。
)
私はそんなことを思いながら、ナルトの頭の中はどうなっているのだろう?などと考えていた。
「ムキー!俺ってば馬鹿じゃないってばよ!」
ナルトは私にばか呼ばわりされ、頭に来たのか大声を上げる。
「うるさいぞ!ナルトっ!」
もちろん、イルカ先生に怒鳴られる事になった。
『「……バカ。』」
私とシカマルの声が重なった。