第1章 不満じゃないけど……
でも、その手をやんわりと解かれる。
どうして………?
『………会長はわたしのこと、好きじゃないんですか……?』
やっぱり、所詮は遊びだったのかな。
だって、会長、モテるし。
わたしなんかが釣り合うわけがない。
最初から気づけよ、わたしのバカ。
「そ、そんなわけない!ちゃんと………好き、だよ」
会長の顔がすごく赤い。
会長のこんなにもうろたえた姿を見るのは初めてで、ちょっとドキッとした。
よかった。
わたしの勘違いか……。
こんなにも会長の言動一つ一つが気になるとか……、なに、らしくないことしてんの。