第6章 終わり
【碧央side】
「おい、美祢────」
俺は教室の入口で思わず固まった。
俺の目に飛びんこできたのは、美祢がクラスの野郎と頬をつねりあって楽しそうにしている光景。
相手が男だ、ということに俺はショックを受けた。彼女にだって友達はいっぱいいるやろうし、その方が俺だって嬉しいし安心する。
やけど、彼女があまりにも楽しそうで。
俺は踵を返した。
彼女が俺にあんな無邪気な笑顔を向けてくれたことは無い。
彼女のあんな楽しそうなとこなんか見たことない。
「くそっ………!」
俺は角を曲がり、壁にもたれる。
分かってる。
これは嫉妬や。