第6章 終わり
【碧央side】
勇気を振り絞ってデートに彼女を誘った。神崎に言われたんや。
〈自然に手をつなぐ方法?そんなの、デートしちゃえばいいじゃん!そんで、人ごみだからって理由つけて手をつなぐ!どう!?〉
神崎にアドバイスを求めるのは、少々……いや、大分癪やけど、仕方ない。
だが、そうなると仕事を終わらせなければならない。
だから、しばらくの間は一緒に帰れない、と彼女に言おうと思い、彼女のクラスを訪れた。
いつも弁当を一緒に食べてるんやから、その時に言えばいい。
なんて分かってるけど、彼女に会いたかった。彼女を一目見たかった。
ただ、それだけやったんや。