第4章 ごめん、でも……【神崎side】
それは、俺がたまたま静かなとこを探して屋上に行った時。
「ねえ、あんたさ、まじで生意気なんだけど」
「ほんと、調子乗りすぎ」
「聞いてる?なんか言えよ」
数人の女子の声。
寄ってたかって何してんだか。
彼女達から死角になる場所に俺は座り込んだ。
まあ、いわゆる盗み聞き、ってやつ?
「言えって言ってんでしょ!?聞こえないの!?まじうざいんだけど!」
「うるさ……。あなた達がバカすぎて話になんない。だから黙ってた」
その声を聞いた時、俺は思わず死角から飛び出しそうになった。
名前さえ知らなかった、彼女だ。