第3章 ムッツリちゃうわ!
「俺のどこが!?」
『え……、そりゃもう、全てが』
わたしの言葉に相当なショックを受けたのか、片手で額を抑える。
「俺、そんな風に見えてたん?」
『ええ、そうにしか見えなかったですね』
この言葉で更にうなだれる。
『ま、まあ、関西弁に対してのコンプレックスがあったから、あんな感じだったんですよね?大丈夫です。分かってますから!』
「全然分かってないやろ……」
『え?分かってますよ』
「いや、だからさ………俺は汚名返上や!と思って……」
『汚名返上?なんですか?それ』
「いや、もうええわ。帰ろか」
『………?はい、そうですね』
彼がいつも通り、歩き出す。
でも、今日のわたしはここで終わらせない。
『会長!』
「なに……って、うわっ」
『手、繋ぎましょ?』
了承も得ずに、勝手に彼の右手をとる。
この前みたいに振り払われなかった。
「……ん」
彼は短く返事をして、わたしの手を握り返してくれた。