第23章 3時のおやつは愛をこめて
ふあふあの水色のワンピースと、白いエプロンがフリフリと揺れる。黒と白のシマシマのニーハイ、白いエプロンのポケットは僕らのシンボルマークの松模様がさり気なくあしらわれている。
「いや、何その殺人級の可愛さ、馬鹿なの!?こんなに可愛くしちゃってさらわれたらどうすんのさ!」
見た目通り可愛い黒髪のアリスだ。
なにこれ、犯罪なんじゃない?本当に!
「おじちゃん、本当?」
とととっと僕の元に走ってきてくれる、小さい鈴音ちゃん。
その姿や、行動だけで人の心を射止められそうだよ!
「本当に可愛い?」
小首を傾げながら、キラキラとした瞳で見つめられたらもう、もう、もう!!
「サイッコーだよぉ!超絶可愛いよ!」
おそ松のことデレデレ馬鹿なんて罵ったけど、結局ここにいる奴らみんなみんな馬鹿松なんだよ!
デレデレ馬鹿松なんだよ!
だって全員がものすごく幸せそうな顔して、ぽわわんってしてるし
待って待って、僕達ヴァンパイアだよね?夜に生き、人に恐怖を与える闇の住人ってやつだよね?!
本当にヴァンパイアだよね?色んな事すっ飛ばしてない?でもいいか!だって、だってさ!
可愛いは、正義!
「えへへ、よかったー」
あっ、もうダメ、本当にダメなんだけど!
「あっ、そう言えばトドのお兄ちゃん、なんで私の名前知ってるの?」
「それはね、僕がフェアリーだからだよ!」
うわ、こいつ汚ぇ!
アリスでいい役を貰えなかったからって、別の童話持ち出してきやがった!
「フェアリー?」
「妖精ってことだよ?ふふ」
「そっかぁ、じゃあ知ってても不思議じゃないね?」
何がフェアリーだ!
どっちかって言うと、ただの悪魔だろ!このピンクモンスター!
「ふっ、じゃあ俺はおうじ...」
「イカレ帽子屋、卍固め」
「あい!」
おそ松の一言でギリギリと痛めつけられるのは、何故か今回は話の流れを組みとったイカレ帽子屋こと十四松に卍固めされたカラ松。
「な、なんで!いつもまちが...ぐふっ!」
「すずちゃんの盗塁王は僕だよ!」
そこかー!!!