第5章 スパンコールは優しさの煌めき
バタンッと扉が閉められる。
.... チョロ松くんて意外と薄情なんだなと思いながら、扉の前で腕組をした。
さて、どうしたもんだろうこの格好。
上半身(ブラはつけてる)丸出しのまま、着るものさえも与えられず廊下に放り出された。
まるまる一章と半分も半裸にされた(R18とかなしで)主人公なんてそうそういないだろう。
笑いのためか、それとも別の目的があるのかは知らないがあんまりな扱いである。
理不尽だ。
時間もわからないし。
そして突っ込むべき所は、今いる場所だ。
薄暗い廊下。
便りになるのは、ランタンの淡いオレンジ色だけだ。
石の壁にそっと手をつくと、一瞬だけひんやりするがすぐに冷たさも温かさもなくなる。
なんとも不思議な壁だ。
そして、ここは和風建築じゃなかったんだろうかともおもう。
まぁ、ヴァンパイアの雰囲気にぴったりだし納得は出来ないこともないけど
構造が気になって夜も眠れそうにない。
なによりここが何処なのか皆目検討がつかない。
異次元空間に迷子とか、どこのSFなんだろうか。
こういうときってワクワクしてありったけの夢をかき集めて、ポケットにコインと英語のなんちゃらをいれるはずなんだろうけど....
実際自分の身に起こってみると、どうしたもんかと立ち往生するしかできないあたり私は海●王にはなれないなと思った。