第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
「カー!!祭りのビールは最高だねぇ!」
ダメだ、完璧に馬鹿ができあがってる。
「はいはい、帰るよ」
それを引っ張っていくのはチョロ松くんだ。
いつもこんな感じなんだろうか。
チョロ松くんも大変だよね。
「帰るんだってー!なんか寂しいねー!」
「....十四松、帰ったら花火あるから」
「マジすか!マジすか!」
楽しそうに話す一松くんと十四松くん。
この二人、本当に仲いいな。
「カラ松兄さん、サングラス夜にかける必要ってあるの?」
「ふっ....いついかなる時でも、カラ松girl達に恥ずかしくないように日頃から整えておかないとな.... 」
「相変わらずイッタイねぇ」
毒のある的確なツッコミをいれるあざトッティと、かわらずカッコをつけるイタ松。
何だかんだで仲いいんだろうな、多分。
目の前に六つの光が輝いている。
温かな六つの光。
「鈴音~、帰るよぉ~」
「ほら、ちゃんと歩きなよ」
へべれけになりながら私を呼ぶ馬鹿松と、それを支えるチョロ松くん。
「置いてっちゃうよ?」
「帰ったら花火だよ!!!」
私に手をふりながら、呼ぶのは十四松くんとトド松くん。
「....鈴音帰ったらスイカ割りしよう」
「スイカがあるのか!?」
「....ない、お前がスイカな」
「....えっ」
固まるカラ松とゲスい顔をする一松くん。
「「帰ろう」」
みんないっせいに私の名前を呼ぶ。
「うん、帰ろう」
私は笑ってみんなの元へ走る。
さぁ、お祭りはまだまだ始まったばかりだ。