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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第11章 彼女に福寿草を捧ぐ....



「あれ.... 僕....... 」

懐かしい夢をみた。
僕の過去の夢だ。

「あっ.... 寝ちゃってたんだ」

僕は体を起こそうとすると、重くて起き上がれなかった。

なになに金縛りー?
なんて思ってたら

「....鈴音ちゃん?」

僕の上で小さな寝息をたてて鈴音ちゃんが眠っていた。

目を赤く腫らして眠る鈴音ちゃん。

そっか.... 僕のかわりに泣いてくれたんだね。

僕が悲しめなかった分だけ、鈴音ちゃんは泣いてくれた。

「ほんと.... やさしいんだね」

眠ってる鈴音ちゃんをぎゅうっと抱き締める。

「あったかー!」

もう少しこのままで、いいかも....

抱き締めた体温は暖かくて
心地いい

「大胆すぎでっしゃろー」

青空に向かってそう言う。
でも....

「鈴音ちゃん、ありがとう」

なんでかな
ちょっと胸がポカポカするんだけど....

胸の中に太陽があるみたいな....

鈴音ちゃんを片手で抱いたままそっと起き上がる。
 
そっと鈴音ちゃんの髪をほどけば、さあっと黒髪が青空を舞う。

「ははっ、うさぎさんみたい」

赤くはれた鈴音ちゃんの瞼に優しく触れる。

僕のために泣いてくれたこの人に出会えてよかった....

人に生まれていたらきっと出会えなかったね?

僕は赤くはれた瞼にそっとキスをした。

「へっへー元気でたっす」

僕は、やっと彼女とのことを悲しい思い出にできたのかもしれない.....



たくさん泣いてたくさん悲しんで....
人は悲しみを思い出にかえてくんだ....


なんちて.... ね

「どっせえええええい!!!」

「どうわぉぉぉ!!つめてええええ!!」

僕は鈴音ちゃんを抱き締めたまま、湖に飛び込んだ!

「な、な、な!?!?!」

「あっははー!ビックリした?」

「そりゃビックリするわーーーい!」


泣いたら、いっぱい笑おう!!
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