第10章 ミルフィーユは抹茶味で
「あのさ.... 」
あんまり遠慮がちに言うから、つい身構えてしまう。
な、ななな
何なんだろう....
ここまで遠慮がちに言ってくるんだから、きっと深刻な事に違いない!
じいっと私を見つめてくるチョロ松くん....
も、もしかして、ほっぺの血だけじゃ足りなかったのかな??
う....
また痛い思いしなきゃならないのか....
それとももっとなにか重要なこと?
そっと言葉を紡ぐチョロ松くん。
その言葉を聴き漏らさないように確りと耳を傾ける。
「.... 僕さ、抹茶が好きだから後でカスタードを取り分けて抹茶味にしてください」
................ 何それ
あんまりにも可愛いお願いにうんと笑って答えると、チョロ松くんは嬉しそうにはにかんだ。