第9章 メイドは冥土を統べる
ぐわしと松代さんに肩を捕まれる。
これあれのパターンだわ....
「わかっていただけて、松代は松代はぁぁ」
ガクガクガクガク
うおおおおい!
味噌汁!味噌汁こぼれる!
って、やっぱりかーい!!
「やっと解放されたわー」
そう言いながら、私の卵焼きをひょいっと手でつかんで食べる馬鹿松。
「おいっ助けろよ!馬鹿松!」
そうでなくとも、味噌汁がヤバイ。
こぼれる!こぼれるから!
「えー。さっき鈴音俺のこと無視したじゃん」
くそったれ....
それにしても....
「松代さん、気のせいじゃなかったら体熱くない?」
その一言に止まるガクガク。
あ、あれ?なんか余計なこと言った?
「そ、そんなことはございません!」
あきらかに狼狽え始めた松代さん。
隙をついておでこにてを当てる。
この人が人間じゃないことはわかるけど、これが普通の体温なんだろうかと考えるほど熱かった。
「なーに?松代?もしかして熱ある?」
味噌汁をずずっと飲みながら、馬鹿松が松代さんに尋ねた。
おいっ!もうお前遠慮なしか!
「い、いいえ!おそ松坊っちゃん!松代は全然平気でございます!」
あー、これ嘘ついてるパターンだわ。
だって冷や汗垂らしまくってるもん....