第1章 入社式。
「あー‼︎‼︎あかーしが新人ちゃんにちょっかい出してる‼︎」
木兎さんの声で私に目線が集中。
『ちっ…違いますよ⁈次何注文するか話してただけです!』
「でもわかるわ。なーんか撫でたくなる頭してんだよなー。椎名は。」
そう言って机の斜め前に座っていた黒尾さんが私に手を伸ばすとわしゃわしゃと髪の毛を撫でてきた。
「なんつーんだろう。小動物…みてーな?」
「ああ。わかります。」
「俺も撫でていい?えっと…名前…」
『椎名 梢です。』
「じゃあ椎名こっちこっち。」
机を挟んで正面に座る木兎さんに手招きされる。
私は立ち上がると黒尾さんの後ろを回り木兎さんの隣に膝をついてしゃがんだ。
ぽんぽん
木兎さんの大きな手が私の頭を撫でる。
「確かに!ちっちぇーからかなー?」
「僕達からしたら一般女性はみんなちっちゃいですよ。」
「確かに…つか月島身長何センチ?でっけーよなー。」
「ああ、188です。最近測ってないからまだ伸びてるかも…」
「俺194っす!」
みんなは次々と自分の身長を口に出す。
ここにいる全員が180㎝以上あることに驚く。
『私、155…みなさん大きいですねー。』
「まあ、女の人はちっちゃいほうがかわいいと思うよ?」
赤葦さんがそういうと周りから賛同の声が上がる。
あわあわしながら周りを見ていると「お待たせしましたー」と注文したものが運ばれてきた。
『みなさんきましたよ?食べましょう?』
そう私が促すとみんなは次々と串物に手を伸ばし始めた。