第6章 GWのお出かけ。
『…ん?』
目を開けるとそこはふかふかのベッド。
でも、見たことがない天井、壁紙。
『ここ…』
「梢っ!気づいた?」
近くにあったソファから私の元に近づく灰羽くん。
『わたし…』
「駅前で倒れたんだけど…覚えてる?」
『なんとなく…』
なんとなく…なんで嘘。
全部覚えてる。
月島くんにイかされて意識を失ったこと。
そのことを思い出すだけで下半身がずくりと疼いた。
「体調…大丈夫?」
心配そうに私の顔を覗く灰羽くん。
『大丈夫だよ?そういえば月島くんは?』
そういうと灰羽くんは気まずそうに目を伏せた。
「ここ…入れなくて…3人…」
3人入れない…ホテル…?
正解を頭の中で導き出した私は周りを見渡す。
まあ、あれだ。
ラブホですね。
「そういう気持ちがあったわけじゃないんだ!1番近いホテルがここで!」
『大丈夫。倒れた私が悪いんだから…』
「ごめん…」
『っ…月島くんに連絡しなきゃね?』
そういうと灰羽くんは私のカバンを手渡してくれた。
カバンからスマホを取り出すと数件のメッセージ。
その中の何件かは月島くんからで…
月島:上手にイけたみたいだね。
月島:まだ足りないなら灰羽に気持ちよくしてもらいなよ。
そう、綴られていた。
スマホの電源を落とし、枕元に放る。
そんなこと、できるわけがない。
そう思う心。
しかし、身体は熱を求め疼く。
実際、スカートに隠れた下半身はとろとろにとろけ、新たに蜜を零している。
どうしたら…
悩んでいれば、一度ソファに戻った灰羽くんがまた、ベッドに近づいてきた。
「梢…心配した。」
背中の方から包まれるように抱きしめられた。
とくんっ
壊れ物を扱うように優しく回された腕。
ごめん。
私は、回された腕を自分の唇まで持っていくと、手の甲に触れるだけのキスをした。
「…梢『抱いて。』
灰羽くんの手を離し、私は自分が着ているカーディガンのボタンをはずす。
抱きしめられていた腕の力がぬけた。
カーディガンとTシャツを一度に脱げば、灰羽くんの喉がこくりと鳴る。
「梢…いいの…?」
私は返事の代わりに自分の唇で灰羽くんの言葉を封じた。
灰羽くん
ごめんなさい。