第6章 GWのお出かけ。
私は、灰羽くんに抱かれた。
遠慮がちに触る指も
優しく触れる唇も
そして中を犯す陰茎も
すべてが優しかった。
だから
終わった後に頭を撫でられたのが
すごく嬉しくて
すごく苦しい。
ぽろぽろと涙を流す私に、灰羽くんはびっくりした後そっと抱きしめてくれた。
終電間近にホテルを出た私達。
はぐれないように
体調悪くなったらすぐに気づくように
いろんな理由をつけて灰羽くんは私の手をぎゅっと握った。
『今日は…ごめんね?』
そう、呟くと灰羽くんは私の方を向いた。
「いや、むしろ役得。こっちこそ、体調わるかったのに無理させてごめん。」
『いや…』
「俺、嬉しかったんだから気にしないでよ。それにさ…」
繋がれた手が離され、今度は指が絡むように手を繋がれる。
「月島には申し訳ないけど、先に帰っててもらってよかった。」
明るい声でそういわれ、下がっていた目線を上げるとその顔はにこり、と笑っていた。
「だって梢とずっと一緒!」
くらくらするくらい眩しい笑顔。
繋がれた手はあったかくて、ちょっとくすぐったくて
泣き出したくなるような罪悪感で私の心をいっぱいにした。