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HQ商社 営業3課へようこそ!【HQ】

第6章 GWのお出かけ。




食事も終わり、街中で少しだけ遊んだ後、私達は電車に乗るため駅までの道のりを歩く。

さすがに外では手は繋がないけど、右側に灰羽くん、左側に月島くんがいるのは変わらない。

灰羽くんが話し、私が相槌をうつ。
そんな風に話しながら人混みの中を歩く。

「ショーのイルカ、すごかったよなー。」

『だねー。ちゃんと言うこと聞いてすごかっ…た。』

私は不自然に言葉を切ってしまった。



灰羽くんがいる反対側の手に指が絡まった。

「ん…?梢、どうした?」

『ううん。なんでもないよ?』

慌ててごまかし、そっと左を見れば私にしか見えないように笑う月島くん。

月島くんは唇だけで私に話しかけた。


テ…ナ・イ・ショ


思わず目をそらして俯く。

「………なんだよね?…梢?」

私を呼ぶ声に私は慌てて灰羽くんを見る。

『っ…どうしたの?灰羽くん。』

「…梢、もしかして疲れちゃった?」

『そんなことないよ?まだ元気。どうして?』

そう問えば、私をじっと見る灰羽くん。

「今、話しかけても反応なかったから。あと、顔真っ赤。」

そう指摘され、自分の顔が赤く染まっていることに気づく。

『大丈夫。少し暑いだけだから。』

「ならいいけど…やべっ!信号変わる!」

早く!と言いながら人を縫うように早歩きになる灰羽くんの後を追い走ろうとすれば、左手に制止させられる。

横を見れば、月島くんが私を見ていた。

「いかないで。今だけ…」

足が動かなかった。

いつのまにか信号は赤になっていた。

横断歩道の反対側を見れば灰羽くんが人混みからひょっこり顔を出してこちらを見ている。


ここだよ。

そう知らせるため、手を上げようとしたとき、左から手が伸びる。

その手は私の顎を掴み私を左に向かせる。

ぐいと強引に左に向かされた顔。

いつのまにか目の前には私を見る月島くんがいて、










私はキスをされていた。





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