第5章 ゴールデンウィークの予定は
電車に乗って私の家まであと2駅。
月島くんが降りたから私も後を追い、降りる。
先を行く月島くんの後を必死で追いかけた。
駅から少しだけ離れた路地で月島くんは立ち止まり、後ろを向いた。
今だとばかりに走って近寄ると、月島くんのおっきな手がぽんと頭にのった。
「ごめん、速かったね。」
『ううん…大丈夫。で、どこに行くの…?』
「ああ、僕の家。」
『そっかぁ、月島くんの家……いえ⁈』
私が叫ぶと頭にのった月島くんの手に力が入り、下に下にと押されていく。
「なに…悪い…」
『悪くないです‼︎ごめんなさい‼︎』
そう叫べば手の力が抜け、頭の上から手が離れた。
「じゃあ、行くよ。」
頭から離れた手は私の手を掴むと、そのまま歩き出した。
さっきよりゆっくりになった歩み。
どうしよう…
月島くんのこと…
見れない。