第5章 ゴールデンウィークの予定は
「俺と月島と梢とってこと?」
「うん、そう。」
『どう…して…?』
疑問しか湧かない。
しかし、月島くんはさも当然のようにぺらぺらと喋り始めた。
「同じ課の同期同士、意思疎通が取れれば仕事もやりやすくなるかなって思ったんだけど。」
「ああ、確かに。」
「どうかな?椎名サン。」
にこり
笑ってはいるけど断れないよね。
だって、スマホのメッセージアプリの通知が来たことを知らせる振動が何回もなっている。
『そう…だね。同期3人でどこかに行くのも楽しそう。』
作り笑いをすれば、騙された灰羽くんがにかっと笑った。
「梢がそういうんなら!」
いつの間に食べたのか食事を終えた灰羽くんは、ごちそうさまー!と挨拶をするととっとと食堂から出て行く。
同じタイミングで仁花ちゃんも先輩に呼ばれ、月島くんと2人きりに。
「今日、駅の反対口。」
『……わかった。』
私の返事を聞いた月島くんはそのまま席を立ち、食堂から出て行った。
もうすぐ午後の仕事が始まる。
食欲をなくした私は食事を半分ほど残したまま、席を立った。