第5章 ゴールデンウィークの予定は
仕事にも慣れ始めた4月末のとある昼下がり。
「ねえ、梢ちゃんはゴールデンウィークどうするの?」
『私は、地元東京だしいつも通り過ごすかなぁ?仁花ちゃんは?』
「私は実家に帰るよ。お母さんが心配して毎日電話かけてくるし。」
私は、同期の谷地仁花ちゃんと食堂でランチをしていた。
仁花ちゃんは事務の新入社員。
新入社員は男性ばかりだと思ってたから女の子がいてちょっと安心。
仁花ちゃんのツテで事務の先輩ともすこし話せるようになった。
ガールズトークに花を咲かせていると、空いていた隣の席に誰かが座った。
「梢、隣いい?」
『灰羽くん、そういうのは座る前に言うもんでしょ?』
「ははははいばきゅん!こんにちは!」
「仁花、そんなに緊張しないでよ。同期なんだしさ。」
「シャチ!」
『…しゃち?仁花ちゃんきょどりすぎだよ…』
緊張しまくりな仁花ちゃんをよそに灰羽くんは私に話を振ってくる。
「梢、ゴールデンウィーク暇ならあそぼーぜ?」
『長期休みも会社の人と会うの…?』
「いーじゃん!遊ぼーぜー!」
遊ぶ遊ばないの言い争いをしていると仁花ちゃんの隣の席がカタリと引かれた。
「谷地さん、ここいい?」
「月島きゅん!どどどどどうぞっ!」
『月島くん…』
あの一件があってから職場では普通に話してはいるけどなんだか気まずい…
気まずいのに、月島くんはこんな提案をしてきた。
「じゃあ、同期3人で出かけない?」
…え?