第4章 げつようび。
『…で、何が望み?』
硬い声で呟けば、月島くんは愛想の良い顔で微笑む。
「月に数回、僕の性欲解消に付き合ってよ。
会って間もない灰羽とできるようなビッチなんだからそれくらいできるデショ?」
『そんなっ…』
バンッ
顔の横の壁がものすごい音を立てた。
横を見れば月島くんが壁に手をついている。
「社内恋愛禁止ってわけじゃないみたいだけどさ…
新入社員が入社してすぐに恋愛ゴッコ…周りから見たらちょっといかがわしく見えちゃうんじゃない?
そしたら社内での立場……どうなるかなんて、わかるよね?」
これは挑発。
いうことを聞かなければバラす。
そう言っているんだ。
こくりとうなづけば極上の微笑み。
「じゃあ、就業後、駅の反対口で待ち合わせ…わかった?」
『うん。』
「逃げないでよ?椎名サン?」
そう言って、月島くんは倉庫から去っていった。
震える指先でシャツのボタンとリボンタイを直す。
息を吸って吐く。
私は気合いを入れ直し、倉庫の扉を開いた。