第14章 旅の終わり。
「月島と話をしたけど、俺達は梢がどっちを選んでも恨むつもりもないし、どちらかが今までみたいに仕事の同期に戻る。」
グッ…と歯を食いしばり下を向くと、月島くんが私の名前を呼んだ。
「僕がキミ達の邪魔してるんだからって言っても灰羽が引かなくて…」
「あ!月島ほっぺ赤い。照れてる。」
「違う。バカじゃないの、灰羽。」
顔を上げれば機嫌の悪そうな月島くんとそれを見て笑うリエーフ。
私………無理だよ…
どちらか選ぶなんて…
『どっちも選べなかったら…?』
甘えた気持ちが口から零れる。
少しだけ期待していた。
選べなかったら、このまま3人で…なんて。
だけど、違った。
甘えた私に2人は、言う。
「選べなかったら、僕たちはどちらも梢のものにはならない。」