第12章 社員旅行。
エレベーターに乗り込んだ瞬間、先ほどまで優しげな顔をしていたリエーフくんの表情が変わった。
「少しだけ、梢のこと独り占めにしたい。」
そう言ってリエーフくんは私を抱きしめるとそのまま唇を触れ合わせた。
エレベーターでキスをして、廊下で手を繋いで歩く。
部屋の鍵を開け、中に入りドアを閉めた瞬間また、キスをした。
名前を呼び、舌を絡ませながら部屋の入り口で貪るようにキスをした。
ふかく、ふかく舌を絡ませあった後、唇を離す。
「ベッド…行くよ?」
『ん…』
月島くんとの関係が知られてしまったのが嘘のよう。
ベッドに腰掛けまた唇を合わせ、お互いの酸素を奪い合うようなキスをした。
体をベッドに横たえるとリエーフくんの前髪がさらりと私の顔に当たる。
くすぐったくて身じろぎすると、リエーフくんがくすりと笑う。
「やっと笑った。」
ほろり
ほろりとなみだがこぼれた。
なんでこんなに優しい人を裏切ってしまったのだろう。
どうして私は
月島くんが
蛍が
好きなんだろう。