第12章 社員旅行。
「みんな居ますね?では、発車します。」
そう、清水さんが言い、バスが発車した。
と、同時。
私のナカに埋め込まれたバイブが静かに動き始めた。
静音設計のソレは音を出すことなくぷるぷると震えだす。
大丈夫。
大丈夫。
拳をぎゅっと握りしめ、小さな快感に耐える。
車内でカラオケ大会が始まった時、私は安堵の息を吐いた。
「営業3課、黒尾鉄朗。今年も行くぜー!
曲はT.M.Revolution!HOT LIMIT!」
そういうと黒尾先輩は完璧な振り付けで歌い始めた。
あ、これ黒尾さんの持ちネタなのね…
流れる景色は移り変わり少しずつ海が見えてきた。
ハイテンポな曲が流れ始めると私のナカの振動が強くなった。
私は、キッと月島くんを睨むけど月島くんはヘッドフォンを付け、知らん顔。
「梢、梢?」
トントンと腰のあたりを突かれ身体がびくりと跳ねる。
振り返ればリエーフくんが私を見ていた。
『な…何?』
「梢、月島の方ばっかり向いてたら俺、妬いちゃう。」
『あ…ごめんね?』
私は肘置きをきつく掴みながらリエーフくんに向き合う。
その瞬間、振動が一気に強くなる。
これ、MAXじゃないのっ…?
やばい…
快感に持って行かれるっ…
必死に肘置きを掴みながら下を向く。
口元を噛み締め声が出ないようにするけれど限界…
「どうした?梢?具合悪い?」
『だい…じょうぶ…』
「いや、全然大丈夫そうには見えないよ?」
そう言いリエーフくんは私の顔にかかる髪の毛をそっと横に流す。
見ないで…
見ないで…
こんな、快感に狂いそうになっている私の顔なんて見ないで…!
「っ…!梢っ…」
「イきなよ」
私だけに聞こえる声で月島くんが呟いた瞬間、私は声にならない声をあげ、私は絶頂を迎えた。