第12章 社員旅行。
「社員旅行楽しみだな!」
今日は就業後リエーフくんの部屋で夕飯を食べた。
そのまま数日後の社員旅行のパンフレットを見ながらベッドで寝そべってのんびり。
『そうだね。熱海か…行ったことないから楽しみ。』
「梢は仁花と部屋一緒なんだ。」
『そうだよ?リエーフくんは?』
「俺?月島と!」
そっか…
同期だし同じ課だもんね。
指でパンフレットの月島くんの名前をなぞる。
「もー…梢。俺の名前よりちゃんと俺のこと触って?」
丁度下にいたリエーフくんの名前をなぞってるように見えたみたい。
よかった…
胸をなでおろしながら私はパンフレットを閉じて身体を起こす。
蛍光灯に照らされきらり、輝く髪の毛を撫でる。
そのまま頬をくすぐると気持ちよさそうに眼を細める姿はさながら猫のよう。
頬から喉に指を移動させれば撫でてくれと言わんばかりに顔を上げる。
『かわい…』
不意に触れたくちびる。
慌てて指を離そうとすれば手首を掴まれ先ほどまで喉を撫でていた指をかぷりと甘く噛まれる。
「かわいいだけじゃないよ?」
噛まれた指は口の中に導かれ、第2関節まで口の中だ。
「試して……みる?」
いつもの甘さとは違う。
獲物を見定めるような獅子のような瞳。
『うん。試して…いい?』
「おいで?」
獅子の瞳が私を乱す。