第10章 出張。
『ちょっと!月島くんっ!いや!』
ゴーインに腕を引きホテルに連れ込もうとする月島くん。
それから逃げようとする私。
側から見たら修羅場だ。
「何抵抗してるの?”セフレ”のくせに。」
冷たく吐かれた言葉は 私の心を容赦なく抉る。
「僕が抱きたいときに大人しく抱かれてればいい。
そう言う関係だったはず…デショ?」
わかってる。
わかってるけど…
それでも…
『今日は…無理…』
カラダもココロも限界。
「へえ…
ツマラナイ。」
ぐさりと胸に何かが突き刺さるような感覚。
限界だった。
『私…1人で帰る…』
そう、呟くと私は駅に向かって歩き出した。
リエーフくんにお土産買わなきゃな、とか
次の新幹線何時かな、とか
終電まで間に合うかな、とか
いろんなことが頭の中をよぎる。
でも苦しい気持ちは無くならない。
月島くんとセックスして
天童さんに犯されて
ココロが苦しくて苦しくて堪らない。
月島くんは私の後を追ってこなかった。