第10章 出張。
結局私は朝方まで月島くんと交わった。
気を失うように眠り、けたたましいアラームで目覚める。
横で眠る月島くんを起こし、私は一度自分の部屋に戻る。
改めて見ると頭から足の先まで何かしらの体液でベトベトだ。
時間もないので急いでお風呂に飛び込み身体中をくまなく洗う。
特に髪の毛は3回洗ったらやっと違和感がなくなった。
お風呂で基礎化粧品をたたき込み、髪の毛を乾かし急いでスーツを着る。
今日はリボンタイがついたブラウスにプリーツスカート。
昨日のようにバレッタで髪を整え、念のために香水を纏わせる。
最後に急いでメイクをして顔色の悪さをカバーする。
忘れ物もないのを確認し、部屋を出ようとすると私のスマホが鳴った。
月島くんからだ。
『もしもし?』
「こっち準備できたけど…行ける?」
『大丈夫。行けるよ?』
「ホテルの入り口にタクシー呼んだから。」
『了解。』
私は電話を切ると部屋を出る。
部屋の外には月島くんが待ち構えていた。
ホテルから会社まで10分。
始業時間まで30分。
ギリギリすぎて泣けてくる。
朝ごはんは食べたかった。
ラウンジの無料朝ごはん食べたかったよー!
いい匂いのするラウンジの横を通り過ぎ、私たちは連絡しておいたタクシーに飛び乗った。