第10章 出張。
結局キッチンで1回。
移動させられベッドで1回の計2回。
何度もなんども名前を呼ばれた。
梢っ…
灰羽君に名前を呼ばれるのが好き。
特にセックスの時の切なそうな、それでいて熱っぽい。
そんな風に呼ばれるのが好き。
だから、私も名前を呼ぶ。
”好き”って伝えてしまう。
平気で嘘を吐く。
浮気しないなんて嘘。
自分のものだってマーキングされても、私は彼に抱かれに行く。
幸せそうに私に好きだと笑う灰羽君は、どこまで気づいているんだろう。
そう思う。
自分から望んだこと。
だけどたまに苦しく感じる。
けれど、お風呂の後に気合いの入った下着をつけるくらい…明日を期待している自分。
1泊2日なのに、替えの下着を2つ準備する気合いの入りように思わず笑いがこみ上げる。
私、本当に、浅ましい…