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L’INCONTRO FATALE【おそ松さん】

第7章 カラ松さんとのショッピング



運転席から小さな溜め息が聞こえた私は、改めて申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

『…あの、カラ松さん。』

カラ「ん、どうした?」

『その、やっぱり私、買い物は大丈夫そうです。』

カラ「え?」

『よく考えたら特に欲しい物も無かったので…!』

カラ「急にどうしたんだ?」

怪訝な表情を浮かべるカラ松さんとミラー越しに目が合う。

カラ「特に無いって、その服だけじゃこれから過ごしていけないだろう?」

『え、と…。』

…何も考えてなかったから何も言い返せない。

カラ「…っ、!」

カラ松さんの表情が一瞬固まったかと思うと、慌てて窓の方に頭を向けた。

カラ「…ガール、」

『はい…?』

カラ「その…突然変なことを聞くんだが、」

こちらから見えるカラ松さんの耳が、なぜかみるみる赤くなっていく。

『…?』

カラ「し…下着、とかは今履いてるのか…?」

『履いてないです…?』

カラ「…。」

カラ松さんは運転席で静かに頭を抱えた。

『カラ松さん…?』

「い、いや何も無い。とりあえず街に出るか!」

『え、あの、カラ松さ』

ブォオオオオオン!!!!

『キャッ!?』

予想外の急発進に、私は背中を後ろにぶつけてしまった。

「おおっとすまない、」

『い、いえ…。』

なんか突然カラ松さんの様子が…?

忙しいだろうから断ろうと思ったけど…
もう車も出してもらったし、いいか。

カラ「まず俺が適当に買ってくるから…その間は車で待っていろ。」

『分かりました…。』

任せてしまっても良いのかな…?

しばらく走った後、何やら上品なお店が並んだ通りで車が止まった。

お店の看板、ショーウィンドウに飾られている服、目に映るもの全てがキラキラと輝いている。

『わぁ…。』

カラ「すまないが少し待っててくれ。」

『あ、はい。』

カラ松さんはそう言って車から降りると、目の前にあるお店へ入っていった。

ショーウィンドウ越しに立っているマネキンはきらびやかな下着を身に着けている。

どうやらランジェリーショップのようだ。

綺麗だな、と思いながら端に置かれている値札プレートを見ると息が止まった。

『ゴホッ!?』

思わず咽てしまう程のゼロの多さ。

『本当にあの下着の値段なのかな…、あ。』

自分の目を疑っていると、お店からカラ松さんが出てきた。
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