第1章 出会い
トド「こっちは完了〜。」
おそ「ほーい。」
突然現れたと思いきや、突然周りの人達を殺した、目の前の2人。
爆弾を仕掛けられたせいでさっきまで生きていた人達が部屋一面に飛び散っている。
それでも生き残った人達は立つことすらままならないのに、ピンク色のシャツを着ている男の人に容赦なく撃ち殺された。
私以外は。
今は目の前で赤いシャツを着ている男の人が私を見下ろしている。
次は私。
早く逃げ出さないと今にも撃ち殺されてしまう。
頭ではそう思っていても、もう私の身体は動きそうになかった。
トド「おそ松兄さん何してんの?はやく片しちゃいなよ。」
おそ「…んー。」
男の人は私と同じ目線まで屈んだかと思うと、何を考えているのか分からないような目で私を見つめる。
一体何を躊躇しているんだろう。
もしかして、殺される前に犯されるのかな。
おそ「ねーキミ」
おそ「拾ったげようか?」
予想が外れた言葉に、思わず顔を上げる。
撃ち殺されるのはもちろん嫌だ。
でも、この男の人に拾われたとしてもきっとまた別のアジトで何人もの男に穴として扱われ、飽きれば捨てられる。
どっちを選んでも地獄…
撃たれて死ぬのも苦しいかもしれないけど、今までと同じことを繰り返すくらいなら、もう死んだ方がマシかもしれないと思い私は撃ち殺されようと決心した。
トド「はぁ!?ちょっと何言ってんのおそ松兄さん!」
『…。』
覚悟を決めた私は首を振る。
おそ「ありゃ。拒否られちゃったよ。」
トド「もう!おそ松兄さん!アジト内にいる人間は全員殺って良いって頼まれたでしょ?」
おそ「絶対に全員殺らなきゃダメとは言われてねーだろ?」
トド「えっ…何その屁理屈!?」
おそ「でもどうすんの?キミ。ここから数十キロは何も無いよ?」
男の人は淡々とした声で私に質問を投げかける。
『…。』
そんな事を言われても…
私は移動する手段も体力も無ければ、行く当ても無い。
おそ「別に、拾うってそういう意味じゃねーよ。」
『…え?』
再び投げかけられた予想外の言葉に、思わず驚きと疑問が口から漏れ出た。