第3章 紹介
チョロ「…って、そっか。」
知らなかったら、そりゃ不気味だよね。とチョロ松さんが頷く。
おそ「愛ちゃん。」
『っはい?』
おそ「あのな。実は、俺達…」
おそ松さんは、深刻な顔つきで語り始めた。
おそ「Dr.Matsunoという…ある研究所の博士が行った遺伝子操作によって造り出されたクローン人間なん」
チョロ「うん、違うからね。僕たちただの六つ子だから。」
『六つ子…?』
皆、血の繋がった兄弟なの…?
チョロ「さっき紹介した順番通り、このバカが長男。あのグラサンが次男、僕が三男、やる気なさそうなのが四男、バットが五男、クソピンクが末っ子の六男だから。」
トド「クソピンクッ…!?」
『そ、そうなんですね…。』
六つ子なんて…凄く珍しいな。初めて見た。
チョロ「まぁ、とりあえずこれからここに住むということで…。よろしく。」
とチョロ松さんは私に右手を差し出した。
『あ…よろしくお願いします。』
私も右手を差し出し、握手を交わした。
おそ「てことで愛ちゃん!これから掃除とか料理はよろしくね〜!」
『はい。分かりました。』
トド「せめてボクと同じくらい美味しい料理作ってよね。」
十四「お願いしまァーす!!」
カラ「まぁ、よろしくな。」
一松「よろしく…。」
『はい、よろしくお願いします。』
律義に私に右手を差し出す彼らと握手を交わす。
彼らが丁寧に歓迎してくれている中、私の心内では不安が揺れ動いていた。
最初だけ優しく接してくれる人はたくさんいた。
他人の前では優しく接して、二人きりになると乱暴をしてくる人もたくさんいた。
今、目の前にいる人達はとても丁寧に接してくれているけど…
そんなものはいつ豹変するか分からない。
この先ずっと…本当に、雑用だけで済めば良いな。
どうかそれだけで済みますように…。
心の中で強くそう願いながら、私は最後に彼らに向かって一礼をした。