• テキストサイズ

隣の家の二宮くん

第16章 16.震える手


タクシーの中でもずっと二宮くんは
あたしの手をギュッと握ってくれてた。



「お姉さん、大丈夫ですよ。大丈夫」



そう優しく言ってくれる二宮くんに、こんなとき愛しいと思ってしまう私は非常識かもしれない。





「あ、ちゃん!」



都内の市民病院に入ると、すぐに大野先輩があたしたちのところに来た。


大野先輩の顔が全てを物語ってる。






「ごめんね…
オイラ、言おうか迷ったんだけど…」



『あの……しょ、翔くん…は…?』




どうしよ。手が震えてる。

ねぇ、二宮くん…どうしたらいい?





「……」



無言のまま大野先輩の顔は下に俯いた。



ねぇ……なんで…どうして……





「大丈夫だから……大丈夫

大野さん、あの…部屋は?」




二宮くんはまたあたしの手を握って、
大野先輩にそう聞いた。





「集中治療室…」




/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp