第15章 15.暴風警報
ピッ
『あ、もしもし』
〈あ、ちゃん〉
電話越しの大野先輩の声は少し息切れをしてて、急なことなんだとすぐ分かった。
『どうしたんですか?』
〈いんや、うん……今、どこ?〉
『今……映画館です。その…二宮くんと』
〈……あ~そっか……だよね…〉
大野先輩の様子が明らかにおかしい
『どうしたんですか?何か…〈翔ちゃん…〉
あたしが言葉を発しようとした途中で、
その言葉は遮られてしまった。
『翔くんが…どうしたんですか?』
もしかしたら、あの後…
大野先輩のところに行ったのかもしれない
でも、その後の言葉は衝撃的で…
〈翔ちゃん…事故で今、意識不明なんだ〉
携帯が床に落ちていくのも、
周りの人が歩くのも、
全てがスローに見えた。