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隣の家の二宮くん

第15章 15.暴風警報


二宮……あ、和也…の手は優しくて、
二人でバスに乗って映画館に向かった。



「なに観たいんですか?」


和也が急にバスの中でそう聞いてきた。




『ラブストーリー』


「え。ベタ~」


『ちょっと…あのね一人だと寂しいけど
二人でみたら分かち合えるでしょ?』


「……ふ~ん…そういうことね」


『そう』




今までは一人で観て妄想して、
静かにカップルの前を通って帰る。

そうだったけど、いるんだもんね。

ちょうど高校時代にやれんかったことに後悔してたところだったし……





〈あ、あの!〉


「ん? あ、きみ」




和也とバスに乗ってると和也の隣にはセーラー服を着た 小柄な女子高生がいた。


もしかして……あのラブレターの?
ていうことは、、あたし、お邪魔じゃ…



そう思って手を放そうとすると、和也はそれを許してくれずに手をさっきより強く握りしめてきた。





「手紙、ありがとう」


〈あ、こちらこそ〉


「ごめん」


〈え?いやいや、いいんですよ!
やっぱり理想通りでした。〉




女の子はそう言いながら笑ってる。



〈こんな綺麗な彼女さんがいて、
かっこよくて…私の理想通りでした。〉


「…うん。ありがとう」




そう和也が言うと、あたしの方も見て彼女は笑顔で"じゃあ"と言ってバスから降りていった。




『良い子だね』


「うん。きっと良い人が見つかりますよ」


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