第13章 13.隣の子犬は狼
トントントン…
また眠ってしまったみたい。
今は何時なんだろう?
そして、この音はなんだろう。
まな板の音…
『二宮……くん…』
やっぱり、そう呼んでも彼はいない。
夢だったのかもしれない。
きっと彼とはまだ結ばれてなくて…
でも、この部屋は完全に私のじゃない。
ジュー……トントントン
心地良い音が耳に鳴り響く。
あたしはベッドの毛布を体に巻き付けて、
キッチンへと歩きだした。
どうやら、裸だからやってしまったみたい
「ん? あ、おはよう」
『二宮くん…いた』
「ん?何ですか、急に」
二宮くんは半笑いであたしのことを見る
やっぱりキュンとしてる。
やっぱり二宮くんのことが好きなんだ。