第12章 12.不確かな気持ち
顔を上げるとそこにいたのは、
あたしがずっと待ってた二宮くんだった
「なんで、泣いてんの」
『え、あ……こ、れは…』
二宮くんに涙のことを気づかれて、すぐさま頬に伝った涙を拭いた。
「なにしてんの、こんなとこで」
『なにって……二宮くんを待ってたの』
「どうして?」
あたしも分からない。
なんで、あなたのために走ったのかも、
あなたを待っていたのかも……
『どうしてって……っ…もう…
二宮くんが朝冷たくするからっ…』
ほら、また涙が溢れてくる。
『優しくしたり、いじめたり…
冷たくしたり、そしたら優しくなって…
っ…もう…なんなの!…っ…』
「…うん、すいません」
『二宮くん……っ…お願いだから…
もう…冷たくしたりしないで…っ…
じゃないと、悲しくなって…っ…
心が潰れそうになるの……うっ…』
そう言い終わったときには、
あたしは二宮くんの腕に包まれていた。
『二宮……くん?』
「今だけ……今だけでいいから。
もう少し、このまま……」
二宮くんはより力を入れてあたしを強く抱きしめて、あたしもいつのまにか彼の背中に腕を回していた。