第9章 9.異変
「あと、30分ですけど…
そんな顔できみは会うのかい?」
大野先輩があたしのカップにコーヒーを
入れながら、そう言った。
「…二宮くん」
『え!!?』
「んふふ…そっかぁ…なるほど~…」
『に、二宮くんが…なんですか?』
「いんや?どんな子なのかなぁって」
二宮くん……コーヒーに映る自分を見ながら
二宮くんの顔を思い浮かべてた。
『二宮くんは、可愛くて…色っぽくて…
子犬みたいで…大人っぽくて…
人を夢中にさせて…
なんか、不思議な子なんです…
不思議な力を持ってて……っ…』
「なぁんで泣いてんの…もう…」
『え…あっ……なんで…』
頬に伝う涙に気づいて、それを拭いた。
「ちゃんって罪な女」
『え?』
「ふふっ……なんも…ほら、来ちゃうよ?」