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隣の家の二宮くん

第1章 1.捨て犬


二宮くんは大学4年生で、

心理学を学んでるらしい。

知り合いの人のバーでバイトしてて、

意外と好青年だった。



「1時間…経っちゃいましたけど、」


『ですねぇ…』


「俺、腹へったんですけど」


と、子犬がまたあたしの顔を見つめた



『何もないから』


「え~・・なんかあるでしょ」


『いや、本当に・・
あたしも空いてきたけど・・』



子犬は"まじか"とでも言うような顔になったと思ったら次は良い案が浮かんだみたい。




「俺が作ってあげますよ。

だから、買い物行きません?」



『え、いいよ。雨だし…』



「雨、もう止んでますよ。ね?」



そう言って、また子犬はあたしの手を握ってそのまま引っ張った。
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