第27章 27.まぼろし?-二宮side-
〈こちらにお名前をお書きください〉
"二宮和也"
そう書いて、受付を通過した俺
家に帰ってすぐスーツに着替えて、
披露宴会場まで急いで来た。
「あぁあ~!ニノ!ニノ~!」
この特徴的な声は…もちろん、
「やっぱ相葉さんか、ふふ」
「え?なになに?うん、ヒャハハ」
やっぱり、いつもと同じ笑い方で…
少しホッとした。
「あ!そうだ!大変だったんだ!」
「え?なにがですか?」
「いやいや、俺も忘れてたわ…
ワインは弱いこと。ヒャハハ、ほら行こ?」
相葉さんに手を引っ張られ、
急いで会場に向かいながら考える。
ワインが弱いって…なに?