第23章 23.最後の意地悪-翔side-
朝起きたら、智くんがいた。
りんごを頑張って切ってて可愛い
「んあ?翔ちゃん、おはよ」
「ん、おはよ……どうしたの?」
「どうしたのってちゃんはもういないんだよ?翔ちゃん…」
あ、そうだった。
彼女はどこかへ飛んでいったんだ。
誰のところにも帰らなかった。
「翔ちゃん冷たくしたでしょ」
智くんのその言葉に驚いてしまった。
確かに昨日、俺は冷たくあたった。
まぁ…本心ではないけど……
「んなの分かってるよ
翔ちゃんってそういう人でしょ?」
「じゃあにも分かってんな~」
「うん、きっとね…」
"はい"と言って智くんが差し出したリンゴを受け取り食べた。
「翔ちゃん、看護士さんからモテモテだからさぁ。そっち狙っちゃえば?イチコロでしょ…」
「ははっ…なーに言ってんの
俺まだ心ボロボロなんだからね?」
「あーそっかぁ」
なんて笑ってたら病室のドアが開いた。
あ、やっぱり来たか。
「二宮くん」