第22章 22.彼女の想い-二宮side-
〈450円です〉
「はい、レシートいりません…」
〈ありがとうございましたー!〉
やけに元気の良いスーパーの店員さんに
少し微笑んで外に出た俺
今思うと、お姉さんとの恋は…
嵐みたいだった。
好きじゃないって思うほど、
その想いはどんどん強くなっていって…
「なに考えてんだろ……はぁ…」
もうすぐいなくなる人のことなんか…
別れた人のこと考えるのはむなしいだけ
〈あの……〉
「ん? あ……君ってバスの?」
〈はい。ふふ…陸地で会えた〉
なんて不思議なことを言う女の子は
俺にラブレターをくれた子だった。
〈今日は彼女さんは?〉
「え、あ~……逃げちゃった」
〈え? 逃げちゃった……って…〉
「あ…いや…うんん。何にも…」
〈それにしても素敵な人でしたね。
なんか…自分を持ってるって言うか…
あなたのことすごく好きなんだなって〉
この子を見てるとお姉さんを思い出す
やっぱり似てるとこがあって、
「ありがとう。言っときますよ」
〈はい。では…〉
会いたくなっちゃったじゃん。