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隣の家の二宮くん

第21章 21.決心


病室に入り椅子に座るあたし




『翔くん……あのね……』



ここから……ここからが…






『私、パリに行くの』


「え…パリ?」


『そう。2ヶ月…だけだけど……』


「仕事?」


『うん……そう…』





なんだろう。涙が最近よく出る。
すぐ涙腺が緩む。こんな弱くなかったのに






『翔くんの告白……の返事…「待って」




返事をしようとしたら翔くんの声が遮った







「分かってる。分かってるんだけど…
はぁ……俺だめだな……ごめん」



『っ……翔くんは悪くない……っ…』



「ううん。悪いんだ。
正直、が自分のせいだって
ずっと思ってくれればいいって思った。」



『え…?』




正直、驚いた。
だって、いつも優しい翔くんが……そんな






「そしたら傍にいてくれるって……
きっと優しいからって思ってた。

君の気持ちを利用した。ごめん……」






あたしはバカだ。

一瞬でも今、翔くんを酷い人間にした。


そんなことない。
あたしの方がよっぽど酷い……






「どうして泣くの?俺でしょ?泣くのは」



『っ…ごめん…なさい…っ……』



「行きなよ。パリ
ごめん……一人になりたいから」







その言葉を聞きあたしはゆっくりと、
ドアの方に歩いて外に出ていった。




私はあんなに優しい人を……
あんな顔にさせてしまった…


きっと一番辛かった人にあんな
あんな言葉を言わせてしまった。
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