第20章 20.名探偵-大野side-
二宮くんがお店を出た後、
目の前にケーキが一つ出された。
「試作品だから、無料でどうぞ?」
なんて男前に言う松本くん
これはモテるわけだ。オイラはできねぇ
「ん。うめぇ!」
「そう?」
「うん!うめぇな、これ」
いつのまにか食べてしまってた。
だって、うめぇんだもん。本当
これはガチでモテるんだろうな……
「大野さんって真ん中得意なの?」
「んあ?真ん中?」
「そう。例えばカズとちゃん
翔くんとちゃんの真ん中」
少しその質問に戸惑いながらも口を開いた
「得意っていうか…なっちゃった
ていうか、なってた?いつの間にか」
「だろうね。
だから自分の思いも隠してるんすか?」
「ん~?なにを?」
まだ、お客さんのいない店には二人だけ
少し時間が止まったようになる。
「ちゃんを好きなこと」
「…………バレちった?」